「徐々にデフレを脱却しつつある」
「景気回復期間が戦後最長となったとみられる」
といったニュースが流れていた時期もありましたが、
「景気が良い」と感じている人は少なかったでしょう。
なぜなら、
業績が拡大した企業の多くが、儲けたお金のほとんどを
- 株主に分配
- 内部留保・・・わかりやすくいうと企業の儲けの蓄え
にして、従業員には還元されなかった(給料が上がらなかった)ためです。
そんな中、
- 2019年10月に消費税が8%から10%に引き上げ
- 賃金低下、同一労働者同一賃金による社員特権廃止
になり、景気動向指数は「悪化」に下方修正されてしまいました。
残念ながら、日本社会は衰退していく一方です。
- なぜ景気が悪化するのか?
- 景気悪化でサラリーマンオワコンってどういうこと?
- 今後の生活はどうしたらいい?
今回は、これらの疑問を解説します。
目次
不景気・デフレが続く日本
なぜ景気悪化するの?
景気が悪化する主な原因は・・・
- 海外経済の悪化・・・輸出の減少
- 内需(国内需要)の低迷・・・個人消費、企業の設備投資、政府による公共投資の低迷
- 消費増税の影響
日本は、長い間、デフレ (デフレーションの略) が続いていますが、デフレに陥いるひとつのきっかけとなったのが1997年に
消費税が3%から5%
に増税されたことだと言われています。
- 2014年に消費税は5%から8%
- 2019年に消費税は8%から10%
へと引き上げられましたが、実は消費税が高くなる一方で、法人税・所得税は低下しています。
日本経済が、これほど長期にわたってデフレが続いているのは、直接税である法人税・所得税と、間接税である消費税の比率が大きく変わったことも原因といわれています。
デフレとは?
モノやサービスの値段(物価)が下がっていく現象
お金の価値が上がっていく状態
一見、モノが安く買えるのは嬉しいし、良いことなのでは?と思ってしまいますが、モノを売る企業は困ってしまいます。経済全体で見ると問題なのです。
デフレスパイラルとは?
一度デフレが起ってしまうと、 物価下落と利益減少が繰り返され景気後退の悪循環に陥ってしまいます。
どういうことかというと・・・
- 消費税が上がったので、消費者が買い控えをする
- 消費者が買う量を減らしたので、モノが売れずに余るようになる
- モノを売るために売り手は値段を下げる
- 値段を下げたので、消費者の購買意欲が上がり、売れるようになる
- 売れるようにはなったが、値下げした分の利益が出ず、業績は悪化する
- 業績が悪化したので、従業員の給料やボーナスが減る
- 給料が減ったので、さらに消費を控える
- モノが売れずに余るようになる
- モノの値段がさらに下がる
デフレが続くと、倒産する企業が増え、失業者も増加します。
景気悪化でサラリーマンオワコンってどうして?
給料が安い・上がらない
特に、新入社員の給料は驚くほど安く
独立行政法人が出しているデータによると
- 大学卒の平均年収・・・206万円程度
- 1ヶ月のお給料・・・17万円程度
※図 新規学卒者の初任給の推移参照
東京で一人暮らしをしようものなら、家賃・光熱費・食費・通信費など生活に必要なものでほぼ使い果たしてしまい、自由に使えるお金は残りません。
サラリーマンの給料が増えるのは、基本的に昇給時ですが、中には
昇給しても月に数千円程度のアップ
正社員でも昇給なし・賞与なし
といった会社も珍しくありません。
残業代カット
働き方改革により、 時間外労働(残業)の上限が法律で規定されました。
残業が減れば、プライベートの時間も増えるしラッキー♪と言ってばかりはいられません。
残業時間が減れば、残業代も減ってしまう(収入が減る)
からです。
これまで残業代を頼りに生活していたという人にとっては死活問題です。
残業時間の上限が設定されても、仕事量は以前と変わらないため
残業代が出ないサービス残業が増えた
家に仕事を持ちかえらなければならなくなった
という人も増えています。
大企業もリストラの嵐
今や、大企業に入社できたからこれで安泰!という時代ではなくなりました。
不景気による業績悪化で
- 年功序列
- 終身雇用制度
が崩壊しつつあるのです。
富士通、東芝、コカコーラ、キリンなど日本を代表する大企業でも大規模なリストラ、早期退職募集が行われています。
同一労働者同一賃金
働き方改革の一環で、2020年4月(中小企業は2021年4月から)から施行されることになったのが「同一労働者同一賃金」です。
別名「パートタイム・有期雇用労働法」といいます。
正規雇用の従業員と、非正規雇用の従業員の、賃金・待遇の格差をなくす目的で作られた法律です。
非正規雇用の従業員にとっては
- 働きやすくなる
- 仕事への評価が適正になる
- スキルアップできる
- 賃金上昇が期待できる
- 仕事へのモチベーションが上がる
など、メリットは多いのですが、正規雇用の従業員にとっては
- 非正規雇用の賃金アップに伴い、賃金が下げられる可能性がある
- 社員特権の廃止
といったデメリットがあります。
社員特権廃止ってなに?
これまでは、正社員が優遇されるのは当たり前で、社員だからこその特権がありました。
- 食堂や更衣室、休憩室といった福利厚生施設の利用
- 職務に必要な技能・知識を習得するための教育制度
これらのサービスが受けられるのは、正社員だけでしたが、今後は非正規雇用の従業員も利用できるようになります。
保険費用負担増
年金・医療・介護といった社会保障費用は急激に増加しており、各医療保険制度の財政は非常に厳しい状況に陥っています。
平成15年に、サラリーマンの窓口負担は3割になり、自己負担額が増えましたが、さらに・・・
- 大企業の会社員が入る健康保険組合の保険料率引き上げ
- 厚生労働省が導入する「総報酬制」
によって、収入の多いサラリーマンの負担は今後も増えていきます。
消費増税で景気悪化
消費増税すると、なぜ景気が悪化するのかというと・・・
消費が縮小するから
消費税が上がっても、お給料が増えるわけではありませんから、消費税が上がれば、上昇した分は泣く泣く我慢して削るしかありません。
消費税は、「消費行動の罰金」のようなものだと言う人もいます。
ひとりひとりが節約する金額はわずかでも、国民の多くが節約に走り、それが長期にわたって続けば、国の消費活動は低下し、デフレが加速します。
なぜ消費増税したの?
財政再建に必要だからです。
- 社会保障を維持するため(年金・医療・介護)
- 国の借金(国債)の返済
- 子育て支援(幼児教育・保育の無償化・高等教育の無償化など)
に充てるためです。
所得税や法人税を上げればいいのでは?
政府は、所得税・法人税ではなく、消費税を財源にするメリットを次のように説明しています。
- 景気などの変化に左右されにくく、税収が安定している。
- 働く世代など特定の人に負担が集中しない。
- 経済活動に中立的。
所得税・法人税を上げると、特定の世代 (働く世代)に負担が集中してしまうが、消費税であれば国民みんなで平等に負担できるからというのが理由です。
個人でできる対策とは?
「キャッシュレス決済によるポイント還元」 が実施されています。
- キャッシュレス決済にすると、最高5%がポイント還元される
- 「PayPay」などスマホQRコード決済を使えばさらにお得
これを聞いて、キャッシュレス決済のために新しくクレジットカードを作ろうとか、「PayPay」を始めようと考えている人もいるかもしれませんが
2019年10月1日から2020年6月までの期間限定!
また、キャッシュレス決済は、手元に現金がなくても支払いができるため、お金を使っている感覚が薄まり、ついつい使いすぎてしまいがちなので注意が必要です。
ではどうしたらいい?
働き方改革で、残業代は減り、景気悪化で、さらに給料は減っていく可能性もあります。
それに加え「老後資金2000万円問題」
自分で資産を増やさないと・・・と株式投資を考えている人もいるかもしれませんが、素人が安易に手を出すのは危険です。
では、どうしたらいいのかというと・・・
副業で稼ぐ
そして
支出を減らして現金・預金を増やす
政府が働き方改革の一環で「副業」を推進していることにより、副業を解禁する企業も、サラリーマンとして働きながら副業で収入を得る人も、増加傾向にあります。
保険の見直しや、住宅ローンの借り換えなども検討し、これ以上、支出を削ることは難しいという場合は、副業で収入を増やすしかありません。
副業におすすめなのが、インターネットを使ったこと
とくに
- プログラミング
これは今後もずっと伸びる分野であり、自宅にいても出張先でも出来る副業
いまは動画講座もスクールも充実しているから、いつでも始められる。
しかも返金保証もあるから、初めて見るといい。
消費増税・景気悪化・社員特権廃止で正社員オワコン!副業待ったなしまとめ
少子高齢化の影響で、社会保障費は30年前と比較すると約3倍に膨れ上がっています。
景気悪化で給料は増えないのに、今後、さらに支払う税金は増加していくでしょう。
現に
- 2020年1月から所得増税
- 2020年10月にはワインや第3のビールの増税
が決定していますし、もらえる年金も確実に減るでしょう。
そのためには、副業で稼ぎ、無駄な買い物はせず、貯金するほかありません。
正社員として就職できても、お給料が増える見込みは少なく、家計のために副業もしなくてはならず、質素倹約して、車や家の購入も諦め・・・ますます結婚しない人、結婚しても子どもを産まない人が増えそうですね。
サラリーマンオワコンというよりは、日本オワコンのような気がしてきました。