WordPressの脆弱性と対策|不正アクセスや情報漏えいから守る方法

WordPressの脆弱性と対策

あなたは以下のことで悩んでないだろうか?

  • 「WordPressサイトの脆弱性が心配だ」
  • 「どのような脆弱性が存在するのか理解していない」
  • 「サイトが攻撃されるリスクを減らしたい」
  • 「具体的なセキュリティ対策を知りたい」
  • 「定期的な脆弱性チェックの方法が分からない」

そんなお悩みを抱えるあなたに、WordPressサイトの脆弱性について徹底的に解説し、効果的な対策をお教えします。あなたのサイトを守るための知識を身につけましょう!

「WordPressはセキュリティが弱い」ということを聞いて、不安に思っている方は多いのではないでしょうか。実は、適切な対策を取らなければ不正アクセスや情報漏えいの被害を受けてしまうかもしれません。

これはWordPressの圧倒的シェア率が1つの原因とされています。

この記事では、WordPressの脆弱性や狙われる理由、対策について解説していきます。この記事を読めば、適切な対策がわかり、不正アクセスや情報漏えいから守ることができます。

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WordPressの脆弱性は主に2種類

WordPressは世界中で広く使われている人気のコンテンツ管理システム(CMS)ですが、その人気ゆえに攻撃者の標的にもなりやすいです。脆弱性とは、システムのセキュリティ上の弱点のことを指します。

WordPressの場合、主に2つの脆弱性が問題となっています。

WordPressにおける2つの脆弱性
  • WordPress自体の脆弱性
  • プラグインの脆弱性

WordPress自体の脆弱性

WordPress本体にも脆弱性が発見されます。これは、ソフトウェアが複雑で大規模なため、開発者が見落とした問題点が存在する可能性があるためです。

例えば、以下のものが挙げられます。

WordPress自体の脆弱性
  • クロスサイトスクリプティング(XSS):悪意のあるスクリプトをサイトに埋め込まれる脆弱性
  • SQLインジェクション:データベースに不正なコマンドを実行される脆弱性
  • 認証バイパス:正規のログイン手順を回避される脆弱性

これらの脆弱性は、WordPress開発チームが発見次第修正し、セキュリティアップデートをリリースします。そのため、WordPress本体を常に最新版に保つことが重要です。

プラグインの脆弱性

WordPressの機能を拡張するプラグインも、脆弱性の原因となることがあります。プラグインの脆弱性が特に問題となる理由は以下の通りです。

プラグインの脆弱性
  • 多様性:数多くのプラグインが存在し、それぞれに潜在的な脆弱性がある可能性がある
  • 開発者の技術力:一部のプラグイン開発者はセキュリティに関する知識が不十分な場合がある
  • メンテナンス不足:開発が停止したプラグインは、脆弱性が修正されないまま放置される可能性がある

プラグインには、公式と非公式の2種類があります。公式プラグインはWordPress公式サイト内に登録されているため安全です。一方、非公式プラグインは悪意のあるプログラムが仕組まれている可能性があるため、気をつけなければいけません。

プラグインの脆弱性対策としては、信頼できる開発者のプラグインを使用すること、使用していないプラグインは削除すること、そして使用中のプラグインは常に最新版にアップデートすることが大切です。

これらの対策を行うことで、WordPressサイトのセキュリティを大幅に向上させることができます。

WordPressの脆弱性が狙われる理由

WordPressは多くのウェブサイトで利用されている人気のプラットフォームですが、その人気ゆえに攻撃者からも注目されています。以下に、WordPressが攻撃対象として選ばれやすい主な理由を説明します。

WordPressの脆弱性が狙われる理由
  • 高いシェア率
  • プログラムが公開されている
  • 誰でも使いやすい

高いシェア率

WordPressは日本国内での利用率が80%以上、世界中のウェブサイトの約40%以上で使用されており、コンテンツ管理システム(CMS)市場では60%以上のシェアを占めています。この高いシェア率が攻撃者にとって魅力的な理由となっています。

高いシェア率
  • 大規模な攻撃対象:一つの脆弱性を突くことで、多数のサイトに一度にアクセスできる可能性がある
  • 効率的な攻撃:同じ手法で多くのサイトを攻撃できるため、攻撃者にとって効率が良い
  • 潜在的な価値:多くのサイトが攻撃される可能性があるため、発見された脆弱性の価値が高くなる

このように、WordPressの普及率の高さが、皮肉にもセキュリティリスクを高める要因となっているのです。

プログラムが公開されている

WordPressはオープンソースソフトウェアであり、そのソースコードが公開されています。これには多くの利点がありますが、同時にセキュリティ面での課題も生じます。

プログラムが公開されている
  • コードの分析が容易:攻撃者がソースコードを詳細に調査し、脆弱性を見つけやすくなる
  • 内部構造の理解:システムの仕組みを深く理解できるため、攻撃の計画が立てやすくなる
  • 更新情報の把握:セキュリティパッチの内容も公開されるため、修正前の脆弱性を特定しやすくなる

ただし、オープンソースであることで多くの目でチェックされ、脆弱性が早期に発見・修正されるという利点もあります。

誰でも使いやすい

WordPressの大きな特徴の一つは、技術的な知識が少ない人でも簡単に使えることです。しかし、この使いやすさがセキュリティリスクにもつながっています。

誰でも使いやすい
  • 設定の不備:初心者ユーザーがセキュリティ設定を適切に行わないケースが多い
  • 更新の遅れ:定期的な更新の重要性を理解していないユーザーが、古いバージョンを使い続けることがある
  • 不適切なプラグイン使用:信頼性の低いプラグインを安易に導入してしまう可能性がある

使いやすさを維持しながら、ユーザーのセキュリティ意識を高めることが課題となっています。

WordPressの脆弱性を突いた攻撃例

WordPressの脆弱性を悪用した攻撃は、実際に多くの被害をもたらしています。以下に、過去に発生した具体的な攻撃事例を紹介します。

WordPressの脆弱性を突いた攻撃例
  • 機能REST APIの事例
  • プラグインWP GDPR Complianceの事例
  • テーマOneToneの事例
  • プラグインFancyboxの事例

これらの事例を知ることで、WordPressサイトを運営する上での注意点がより明確になるでしょう。

機能REST APIの事例

2017年、WordPressの標準機能であるREST API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)に深刻な脆弱性が発見されました。

機能REST APIの事例
  1. 問題点:認証なしでコンテンツを更新できた
  2. 攻撃の内容:攻撃者はサイトの記事内容を無断で改ざんできた
  3. 影響:155万を超えるWordPressサイトが影響を受け、多くのウェブページが改ざんされた
  4. 対策:迅速にセキュリティアップデートをリリースし、問題を修正

この事例は、WordPressの核となる機能にも脆弱性が存在する可能性を示しており、常に最新版にアップデートすることの重要性を浮き彫りにしました。

プラグインWP GDPR Complianceの事例

2018年、EUの一般データ保護規則(GDPR)対応のためのプラグイン「WP GDPR Compliance」に、重大な脆弱性が発見されました。

プラグインWP GDPR Complianceの事例
  1. 問題点:認証されていないユーザーが管理者権限を取得できた
  2. 攻撃の内容:攻撃者はサイトの完全な制御権を獲得し、マルウェアの挿入やデータの窃取が可能
  3. 影響:約10万のサイトが影響を受けたと推定
  4. 対策:開発者が脆弱性を修正したバージョンをリリース

この事例は、標準プラグインとオプションプラグイン以外のサードパーティ製プラグインの使用にも注意が必要であることを示しています。

テーマOneToneの事例

2019年、人気のWordPressテーマ「OneTone」に深刻な脆弱性が発見されました。

テーマOneToneの事例
  1. 問題点:権限のないユーザーがサイトの設定を変更できた
  2. 攻撃の内容:攻撃者はサイトのタイトルや説明を変更したり、管理者アカウントを作成したりすることができた
  3. 影響:約20万のサイトが影響を受けたと推定
  4. 対策:テーマの開発者が修正版をリリース

この事例は、テーマの選択と更新も重要なセキュリティポイントであることを示しています。

プラグインFancyboxの事例

2014年、画像表示用の人気プラグイン「Fancybox」に深刻な脆弱性が発見されました。

プラグインFancyboxの事例
  1. 問題点:悪意のあるコードを挿入できた
  2. 攻撃の内容:攻撃者はサイト訪問者のコンピュータにマルウェアを感染させることができた
  3. 影響:数万のサイトが影響を受け、多くのユーザーがマルウェア感染の危険にさらされた
  4. 対策:プラグインは一時的にWordPressのプラグインリポジトリから削除され、後に修正版がリリースされた

この事例は、人気のプラグインでも重大な脆弱性が存在する可能性があることを示しています。

WordPressの脆弱性対策

WordPressサイトを安全に運営するためには、適切なセキュリティ対策が欠かせません。以下に、効果的な脆弱性対策をご紹介します。

WordPressの脆弱性対策
  • WordPressを常に最新バージョンに保つ
  • テーマ・プラグインも常に最新バージョンに保つ
  • 定期的に脆弱性診断を行う
  • 国内外で発見される脆弱性を確認しておく
  • セキュリティ全体の対策

WordPressを常に最新バージョンに保つ

WordPressを最新バージョンに保つことは、セキュリティ対策の基本中の基本です。脆弱性を解消するために高い頻度でアップデートがされています。

WordPressを常に最新バージョンに保つ
  • 自動更新の設定:WordPressの自動更新機能を有効にしておくと、マイナーアップデートが自動的に適用される
  • 手動更新の習慣化:メジャーアップデートは手動で行う必要があるため、定期的に確認する習慣をつける
  • 更新前のバックアップ:更新前には必ずサイトのバックアップを取っておく

最新バージョンには、発見された脆弱性の修正が含まれているため、更新を怠らないことが重要です。

テーマとプラグインも常に最新バージョンに保つ

テーマやプラグインも、WordPressと同様に最新の状態に保つ必要があります。WordPress自体を最新にしていてもプラグインに脆弱性があると対策の意味がなくなってしまいます。また、テーマはプラグインとセットになっていることが多く、テーマも併せて最新にしましょう。

テーマ・プラグインも常に最新バージョンに保つ
  • 更新の確認:管理画面で定期的に更新の有無を確認
  • 不要なものは削除:使用していないテーマやプラグインは削除し、攻撃対象を減らす
  • 信頼できる開発元の選択:評判の良い開発者のテーマやプラグインを選ぶ

最新版には、セキュリティの改善や脆弱性の修正が含まれていることが多いです。

定期的に脆弱性診断を行う

サイトの脆弱性を早期に発見するために、定期的な診断が重要です。

定期的に脆弱性診断を行う
  • 脆弱性スキャナーの利用:WPScan等のツールを使用して、既知の脆弱性をチェック
  • 専門家による診断:より詳細な診断が必要な場合は、セキュリティ専門家に依頼することも検討
  • 結果の分析と対策:発見された脆弱性には迅速に対処

定期的な診断により、潜在的な問題を早期に発見し、より信頼性のある対策を講じることができます。

国内外で発見される脆弱性を確認しておく

最新のセキュリティ情報を常に把握しておくことが大切です。情報を集めることで迅速な対応ができ、被害を抑えられます。

国内外で発見される脆弱性を確認しておく
  • セキュリティ情報サイトの確認:JVN(Japan Vulnerability Notes)等の公的機関の情報を定期的にチェック
  • WordPressコミュニティの監視:公式フォーラムや関連ブログで最新情報を確認
  • セキュリティニュースの購読:セキュリティ関連のニュースレターやRSSフィードを購読する

新しい脆弱性が発見された場合、迅速に対応することができます。

セキュリティ全体の対策

上記で解説した対策の他に、セキュリティ全体としての対策があります。

セキュリティ全体の対策
  • ログインページにIP制限をかける
  • ログインページのURLを変更する
  • パスワードの強化
  • セキュリティ系のプラグインの導入
  • パソコン自体を最新バージョンにする

細かな点にはなりますが、怠らずに対策をすることで安心してWordPressを使うことができます。

ログインページにIP制限をかける

ログインページにIP制限制限がかかっていると、攻撃者がアクセスしにくくなります。

ログインページにIP制限をかける
  • .htaccessファイルの編集:特定のIPアドレスからのみアクセスを許可するよう設定
  • セキュリティプラグインの使用:IPアドレス制限機能を持つプラグインを導入する方法もある

これにより、不正アクセスのリスクを大幅に減らすことができます。

ログインページのURLを変更する

WordPressのログインページはデフォルトで「/wp-login.php」になっています。そのため、ドメイン名がわかってしまうと、ログインページにアクセスできてしまいます。

ログインページのURLを変更する
  • プラグインの使用:ログインURLを変更できるプラグインを導入
  • 手動での変更:wp-login.phpファイルの名前を変更し、関連する設定を調整

デフォルトのログインURLを変更することで、攻撃者の標的になりにくくなります。

パスワードの強化

セキュリティの一般常識になりますが、第三者が予測しやすいパスワードは使用しないようにしましょう。

パスワードの強化
  • 複雑なパスワードの使用:大文字、小文字、数字、記号を組み合わせた長いパスワードを設定
  • 定期的な変更:パスワードは定期的に変更
  • 二段階認証の導入:パスワード以外の認証方法を追加で設定

強力なパスワードは、不正アクセスを防ぐ重要な防御線となります。

セキュリティ系のプラグインの導入

WordPressには、セキュリティを強化するプラグインがあります。

セキュリティ系のプラグインの導入
  • 総合的なセキュリティプラグイン:Wordfence Security等の多機能プラグインを導入
  • 機能別のプラグイン:特定のセキュリティ機能に特化したプラグインを組み合わせて使用

適切なプラグインを使用することで、様々なセキュリティリスクに対応できます。

パソコン自体を最新バージョンにする

そもそも使用しているパソコンが古いままだと、不正アクセスや情報漏えいの攻撃を受けやすくなってしまいます。

パソコン自体を最新バージョンにする
  • OSの更新:WindowsやmacOSを最新バージョンに保つ
  • ブラウザの更新:使用するWebブラウザも常に最新版にアップデート
  • アンチウイルスソフトの使用:信頼できるアンチウイルスソフトを導入し、定期的にスキャンを行う

PCのセキュリティを高めることで、WordPressサイトの管理時のリスクも減らせます。

不正アクセスや情報漏えいからWordPressを守ろう

この記事では、WordPressの脆弱性や狙われる理由、対策について解説してきました。「WordPress」と検索しようとすると、「脆弱性」という言葉もセットででてきます。しかし、適切な管理をしていれば高い安全性は保てます。

危険なCMSと思われている方がいるかもしれませんが、サイト運営にリスクはつきものです。安全対策を行いながら管理を継続していきましょう。

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この記事を書いた人

よこやま良平

こんにちは!18年以上ITエンジニアとして活動してきた
よこやま良平です。

4歳~85歳まで、年間1,792人名以上の方に
パソコンやプログラミング講座を行ってきました。

また18冊以上の書籍を出版しており、連続で1位を獲得しました。
オンライン講座では200件以上のレビューを頂いており
評価は4.9/5.0と高評価を得ています。

その他これまでに3000以上のサービス・システム・サイトを作成。